6.相続税の申告と納付

2017年4月1日 現在

6-1 申告書の提出義務者と提出期限

6-1-1 申告書の提出義務者

課税価格の合計額が基礎控除額を超え、かつ、 取得財産について実際に納めるべき相続税額のある者

※令和3年改正より申告書押印不要 、ただし共同提出者の提出意思の確認のため
   第一表において①共同提出する方のみ氏名や必要事項を記載、又は②全ての相続人等の分を記載した上、共同提出しない方の欄は斜線を引く 

6-1-2 申告書の提出期限

死亡した人の亡くなった日の翌日から10月以内

提出期限内に提出した申告書 : 期限内申告書 
提出期限後に提出した申告書 : 期限後申告書

 

提出期限までに手続きが必要な規定 
・配偶者に対する相続税額の軽減 
・小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 
・相続税の納税猶予(農地等の特例、非上場株式等の特例) 
・措法70条の非課税の適用を受ける贈与

 

当初申告要件が廃止された措置
・配偶者に対する相続税額の軽減
・贈与税の配偶者控除
・相続税における特定贈与財産の控除

 

  • 平成23年12月2日以後に申請書の提出期限が到来する相続税又は贈与税から適用される。

6-1-3 申告書の提出先

死亡した人の死亡時の住所地の所轄税務署長

6-1-4 提出後の手続きの名称

相続税額が増加 : 修正申告 
相続税額が減少 : 更正の請求



6-2 税額の納付

6-2-1 税額の納付

相続税の申告書を提出した人は、申告書の提出期限までに、 その相続税を国に納めなければならない。

6-2-2 連帯納付の義務

原則的には、財産を取得した者が、個々に相続税の納付義務を負う。 
ただし、相続人間には連帯納付義務がある。
《適用除外》
・申告期限から5年を経過した場合
・納税義務者が延納又は納税猶予の適用をうけた場合

6-2-3 延納

相続税を申告期限までに現金で払えない場合、年賦払いすることができる。

  《要件》 
  ・現金で払えない理由があること 
  ・相続税額が10万円を超えること 
  ・申告期限までに、延納申請書を提出すること 
  ・担保を提供すること

 

・担保は、延納期間が3年以下で延納税額が100万円未満の場合必要ない。

 

・延納期間と利子税(原則)

  区分 延納期間 利子税
不動産の割合が75%以上 動産等 10年 5.4%
  不動産等 20年 3.6%
不動産の割合が50%以上75%未満 動産等 10年 5.4%
  不動産等 15年 3.6%
不動産の割合が50%未満 一般 5年 6.0%

 

6-2-4 物納

延納によっても金銭納付困難な場合、物納することができる。

  《要件》 
  ・延納によっても相続税を現金で納付することができないこと。 
  ・納付を困難とする金額を限度としていること。 
  ・納期限までに、「相続税物納申請書」を税務署に提出すること。

 

・物納することができる財産の種類および順位

順位 種類
第一順位 不動産、船舶、国債・地方債、上場株式等
第二順位 非上場株式等
第三順位 動産

 

・物納不適格な財産例

  ・質権・抵当権などの担保の目的となっている財産 
  ・共有財産(全部を物納する場合を除く) 
  ・譲渡制限付きの株式・出資証券

 

・収納価額 
  相続税計算の基礎となったその財産の価額による。 

 

・物納の撤回 
  相続税を金銭納付ないしは延納できることとなった場合 、1年以内なら、物納の撤回を申請できる。